【メカナム駆動ユニットRVW 導入事例】
株式会社三栄機械 様



JR東日本様で使用されているメカナムホイール台車
重量物搬送に必要な耐久性と信頼性を実現

  • 株式会社三栄機械様(以下、三栄機械様)では、鉄道車両のメンテナンス時に使用されるメカナムホイール台車の開発・製造を行っています。この台車は、吊り上げた鉄道車両の下に潜り込み、車両床面に格納された機器類の脱着をサポートするもので、2021年より東日本旅客鉄道株式会社 秋田総合車両センター様(以下、JR東日本様)で使用されています。

    RVW搭載台車に部品を載せる作業風景


導入前の課題は?

「高荷重対応で導入しやすいメカナムホイールを探していました」

JR東日本様では、以前から他社(三栄機械様以外)のメカナムホイール台車を使用していましたが、老朽化により新規製品の開発が必要となりました。その際、別製品での導入実績があった三栄機械様へお声がかかり、オーダーメイドでのメカナムホイール台車の開発が始まりました。

三栄機械様にとってもメカナムホイールを搭載した台車の開発は初めての挑戦。 最大5トンの機器類を搬送できることに加え、 微細な位置調整が必要になるため、耐荷重と位置決め精度の高さを兼ね備えたメカナムホイールを探していました。



導入いただいた製品

メカナム駆動ユニット RVW-20PG

  • メカナムホイールと減速機一体型のユニット製品。産業用ロボットの関節用途で高い世界シェアを誇る「精密減速機RV™」をベースとした高容量主軸受を内蔵しており、高荷重に最適な構造となっています。(RVW-20PG 1輪あたりの許容耐荷重:2,500kgf)また、RVWシリーズはメカナムホイール・減速機・モーターフランジ・入力軸を一体化した駆動ユニットのため、設計が簡素化でき、導入が容易になります。

    RVW

選定理由は何でしたか?

「最大5tの積載物を支えられるスペックと組立て易さがポイントでした」

  • 導入の半年前、ウェブサイトを通じてRVWシリーズに興味を持っていただき、検討が始まりました。
    選定のポイントは、「最大5トンの機器類を搬送できる耐荷重」と「減速機一体型のユニット製品であること」の2点。当時、これらを満たせる製品は他に見つかりませんでした。三栄機械様にとってメカナムホイールの採用が初めてであったこともあり、特に減速機一体型のユニット製品である点は導入のしやすさに直結しました。
    その後、技術的な打ち合わせを重ねていき、最終的にはナブテスコがこれまで培ってきた精密減速機RV™の実績と信頼性が決め手となり、導入が決まりました。

    RVWの構成

導入後の効果・感想は?

「JR東日本 社員様からも好評いただいています」

  • “位置決め精度の高さ”“振動の少なさ”は社内でも好評で、JR東日本 社員様からも「重量物を積載しながらも非常に滑らかな動きができる」と嬉しいお声をいただいています。無駄の少ないスムーズな作業を実現できる台車を納入できて当社も嬉しく思います。
    また、耐久性の高さにも驚いており、使用開始から3年経ちましたが不具合箇所が全くありません。この点はJR東日本様にも好評いただいております。(株式会社三栄機械 営業部 齋藤様)




ナブテスコ 担当者の声

初めて三栄機械様にお話を伺った際、JR東日本様が長年使用していたリモコン式メカナム台車の老朽化に伴い、メカナムホイールを用いた新しい「床下着脱機」の製作についてご相談があったことを知りました。当時、物流関係以外の用途でもお役に立てる可能性を探っていたため、RVWシリーズを候補としてご検討いただいていると知り、大変嬉しく感じました。

「床下着脱機」とは、鉄道車両や大型機械の保守点検作業で使用される機械装置で、車両下部に取り付けられた各種機器(たとえば、エアコンユニットやバッテリーユニットなど)を安全かつ効率的に着脱するために用いられます。これらの機器は通常、ボルト締結やその他の方法でしっかりと固定されていますが、取り外しや再設置の際には微細な位置合わせが必要です。なるほど、視覚的・直感的に操作できるメカナムホイールであれば、きっとお役に立てると強く感じました。RVWシリーズが新しい展開を見せるぞと期待が膨らみ、ぜひ三栄機械様と共に開発を進めたいと思いました。(営業担当)



株式会社三栄機械 様
会社概要

  • ■事業内容
    メカナムホイール台車、重量物運搬設備、重量物搬送装置、鉄道関連設備、各種精密自動機器の設計・製作、鋼構造物・大型製缶の設計・製作・施工 ほか

    ■拠点
    秋田(本社・工場)、象潟工場、東京営業所、名古屋営業所

    ■ウェブサイト
    ・ホームページ( http://sanei-kikai.co.jp/



用語集

  • メカナム駆動ユニットとは?

    メカナム駆動ユニットは、メカナムホイールを使用して全方向に移動できる駆動システムです。メカナムホイールは、車輪の周りに斜めに配置されたホイールによって、前後斜めだけでなく、左右にも滑らかに移動が可能です。

    メカナムホイールは、制御システムの複雑さや、ハードウェアの統合、部品の選定と設置に知識と技術が求められるため、導入には高度な技術が必要です。しかし、ユニット化されることでこれらの課題が簡略化され、導入にかかる時間やコストが削減されます。これにより、全方向移動を必要とするシステムやロボットへのスムーズな組み込みが可能になります。

  • メカナム駆動ユニットRVWシリーズとは?

    RVWシリーズは、メカナムホイール、減速機、モータフランジ、入力軸を一体化したメカナム駆動ユニットです。この一体化により、設置が簡素化され、導入が容易になります。また、ユーザーは自分のシステムに合わせたモーターや制御装置を別途選定することができ、ニーズに応じたカスタマイズが可能です。

    このシリーズは、精密減速機RV™を搭載しており、高い可搬重量と耐久性を実現しています。
    詳細についてはこちらのページをご覧ください。

  • 自動搬送車(AGV/AMR)とは?

    自動搬送車(AGV: Automated Guided Vehicle / AMR: Autonomous Mobile Robot)は、物品や材料を自動で搬送するための無人車両です。AGVは通常、事前に設定されたルートに沿って移動しますが、AMRは自律的に環境を認識し、障害物を避ける能力を持っています。このような自動搬送車は、製造現場や倉庫などにおいて、物品や材料の搬送を効率的に行うことが期待されています。

「ナブテスコで完成品のメカナム台車(AGV/AMR)として提案してほしい」
というご要望にお応えし、主要パーツのパートナーメーカと協業体制を構築しております。
 AGV/AMR製作のワンストップ提案も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

RVWシリーズの製品カタログはこちらからダウンロードください

製品カタログ

RVWシリーズをご検討の方はこちらからご連絡ください

お問い合わせ